JAPANESE
日本料理

日本食が急に恋しくなるというのは海外に来ていて誰でも経験する事だ。 ニューヨークで美味しい日本食を安く食べられるお店は少なく、ここで紹介するレストランも決して安くはないが参考にまで。


BLUE RIBBON
ブルーリボン寿司 (青結寿司)
97 Sullivan St. (between Prince &Spring St.)
(212) 274-0404

 小さいがオシャレなこの寿司屋はソーホーに位置する。 予約を受けつけないためか、いつも寿司好きのニューヨーカーが順番待ちをしている。 決して特別おいしい寿司は出さないが、素直に満足できる。 また寿司以外のメニューも豊富。 日本語読みのアルファベットで書かれたメニューは日本人ではなくても読みにくいはず。 そしてアメリカ人のお客が多いためか、カリフォルニア・ロールなど所謂アメリカンな巻物がよく売れているようだ。 毎晩午前2時まで営業しているため観劇後でも時間を気にせず食べられるのがありがたい(月曜休)。 



NOBU
ノブ
105 Hudson St. (Franklin St.)

(212) 219-0500

 去年放送終了した「料理の鉄人」で和の鉄人として出演していた森本正治がシェフを勤めており、一躍有名になった。 値段は高めで、いつも予約はいっぱい(必要以上に予約するのを難しく見せているという気もしないでもないが)。 ただし予約制ではないカウンターならいつでも早いもの順に座れる。 
 コースで食べるなら$65〜。 料理はインターナショナルな和食。 刺身に必ずといってよいほどソースやごま油が使用される。 また柚子を使い“和”をアピールしているものが多い。 白身魚の刺身にハラピニオン・ソースをかけたエスニックな一品、同じく白身魚に豆鼓をかけ蒸した中華風の一品など、アイディアがおもしろくそれらの相性が妙に良い。 盛り付けも繊細でクリエイティブ。 しかしながら刺身にソースをかけても生臭みが残ったのには気になった。 またコースを頼んだ場合、最後に寿司がでてくるが、こってりとした和食を食べた後には、さっぱりとしたお茶漬けや雑炊が恋しくなる。


本むら庵
170 Mercer St. (Prince St. & Houston St.)

(212) 344-5253

 言わずと知れた本むら庵のニューヨーク店。 ここの蕎麦は香りが良く、新蕎麦がでる秋が特においしい。 ニューヨークでこれだけ美味しい蕎麦を食べられるのには驚く。 また蕎麦以外の一品料理も上品な味で満足できる。 ただ値段は高めで、東京の本むら庵でもこれほどしないだろうと思う。 


レストラン日本
155 East 52nd St. (3 Ave. & Lexington Ave.)
(212) 758-0226

 老舗中の老舗。 ここのオーナーのこだわりが徹底していて、すべての料理が一定の水準をクリアーしている。 そのこだわりを見せ付けたのが、蕎麦畑で特別に作らせているという蕎麦とオーナーが世界中を歩き回って選び抜いたというサーモン。 蕎麦はせいろで。 サーモンはにぎりか、焼いてもらうと非常に美味しい。 海外にいてこれだけ高い水準の日本食を食べられると、便利な世の中になったという気がしてくる。


TOMOE SUSHI
ともえ寿司
172 Thompson St. (between Bleecker & Houston St.)
(212) 777-9346

 ザガット・サーヴェイの寿司部門ではこのともえ寿司がダントツの一位にランキングされている。 そのせいかいつ行っても何組も並んでいてすぐ席に座ることはできない。 またお客もほとんどがアメリカ人。 江戸前ではなく、ネタが非常に大きく、それから考えれば他の寿司屋よりは間違いなく安価だ。 また寿司以外の惣菜も種類が沢山ありまずまずの味である(味噌汁に揚げ玉が入っているのには多少違和感があった)。 しかし問題は肝心のにぎりに余り工夫が覗えないことである。 ネタが大きいのはありがたいが、しゃりが反対に小さすぎ、食べたときのバランスが非常に悪い。 日本でもネタの大きさが自慢の寿司屋というのがどこにもあるが、それと同様だと考えていただきたい。 ボリュームのある寿司をお好みの方にはお勧めする。


OMEN
おめん
113 Thompson St. (between Prince & Spring St.)
(212) 925-8923

 日本では良く知られた京都のおめんのニューヨーク店。 ニューヨークの和食料理店でも古い方になるのではないか。 あのリチャード・ギアも以前ニューヨークに住んでいた頃はよく訪れたという。 ソーホーに位置し、最近は日本人の客は少なく、若いアメリカ人のカップルなどでいつもいっぱいだ。  メニューの種類は非常に豊富でどの料理を注文しても、必ず一定のレベルをクリアしている。 またこの店の原点である釜揚げうどんもまずまずで、宮崎県の重乃井の釜揚げうどんを想わせる。 単品で注文するのも良いが、数種類ある$46のコースは前菜、メイン、ご飯、デザートと全てアメリカン・サイズでおなかいっぱいになるお手ごろメニューだ。 週末は予約を入れておいたほうがいいだろう。



 


 

 

 

FRENCH
フランス料理



LE ZOO
レ・ズー
314 West 11th St. (Greenwich St.)
(212) 620-0393

 フレンチといえばどうしても高価なイメージが付き物だが、そういう固定観念を打ち破るのがこの店。 しかもどのメニューも全て美味しい。 クラシックな素材は一切使わないし、メニューも12種類とその日のスペシャルが数種類あるのみ。 日本で言う“昔ながらの洋食屋”といったところか。 値段はアピタイザーは全て8ドル以下、メインディッシュも全て15ドル以下であるから驚きだ。 どの料理もシンプルで新鮮な素材の美味しさを十分に生かしたものだ。 サーモンのタルタルは、サーモンにレタスと香菜(コリアンダー)がのって、そしてマスタード・ソース。 香菜が生のサーモンの美味しさを引きたてて、マスタードがピリッと辛い感動の一品。 鱈を焼いてタイ風ソースとインディカ米を添えた一皿もクラシックではないが、しっかりとフレンチしていて、エスニックなソースが身の締まった鱈のおいしさを引き出している。


JEAN GEORGES
ジャン・ジョージズ(ジャン・ジョルジュ)
Trump International Hotel, 1 Central Park West (bet 60th & 61st Sts.)
(212) 299-3900

 ニューヨークのガイドブックにはフランス料理で一番の店はダニエルと紹介されているが、実際はというと、このジャン・ジョージズがニューヨーカーの中でのベスト・フレンチレストランなのだそうだ。 確かに心の底から感動する料理に出会うことが出来る。 クラシックなフレンチにコンチネンタル(所謂ニューフレンチ)がちょっぴり混じっている。 椎茸(Shitake Mushroom)とえのき(Enoki Mushroom)を肉の付け合わせに使ったりと、“和”の素材も上手く取り入れている。 こってりとした、しかし決してしつこくはないソースがシェフ、ジャン-ジョルジュ・ヴォンヘリクテンのどの料理にも共通している特徴。 全ての料理にアイディアと工夫が覗え飽きることがない。 メニューは$82、$115、$210の3種類のコースから成る。 $82のコースが最もポピュラーで、多数のチョイスの中から6皿自分で好きなメニューを構成できる。 日本の一流フレンチに比べれば決して高くはないはずだ。 財布に余裕があるなら是非一度ニューヨークが世界に誇るジャン-ジョルジュの料理をお試しあれ。 


JULES
ジュール
65 St. Marks Place (2nd & 1st Ave.)
(212) 477-5560

 イーストヴィレッジにあるフレンチ・ビストロ。 毎晩午後6時から深夜1時まで、週末は2時までオープン。 インテリアは若向きで、生のジャズ演奏があり、お客もオシャレなアーチストなどが多い。 味よりも雰囲気を楽しむ店。 料理はフレンチとイタリアンをミックスしたニューフレンチ。 エスカルゴは歯ごたえがなく、缶詰のものを食べているよう。 鰹のタルタルは、ごま油に和風ソースで食べる。 メインディッシュに注文した子牛レバーのソテーはラズベリー・ビネガーがかかっているにもかかわらず、くどさが気になった。 お酒を飲みながらだと、こう云うヘビーな料理も楽しめるのだろう。 そこいらのバーに飲みに行ってハンバーガーを注文するよりは、ここのバーに座って安価なフレンチとワインを楽しんだほうがよい。


SOHO STEAK
ソーホー・ステーキ
90 Thompson St. (Prince & Spring St.)
(212) 226-0602

 ソーホーにあるフランチ風ステーキハウス。 インテリアがオシャレでアーチストや学生のお客が多い。 メニューの数は少ないが、味が良く値段も良心的である。 前菜にはフォアグラのグリル($9)がお薦め。 とうもろこしの粉で作ったポレンタの上にグリルしたフォアグラがのっていて、レーズンのソースとの相性が良い。 ステーキはアメリカにしては量が少なめで好感が持てる。 値段はサーロイン、フィレ共に$16であるから驚き。 サーロインには付け合わせでフレンチフライが山のようにのってきて、食べる前から胸がいっぱいになってしまう。 それよりはフィレの方がお薦めできる。 付け合わせにはスライスポテトとロックフォールチーズのガレット、フォアグラのムース、ほうれん草。 このお店では好みの焼き加減をしっかり伝えること。 ところでこのお店でだされるパンがおいしいと思ったら、イタリアンのバ・ボーと同じくビレッジのサリバン・ベーカリーのものだった。



 

 

 

 

CHINESE
中華料理


JOE'S SHANGHAI
ジョーズ・シャンハイ
9 Pell St. (between Bowery St. & Mott St.)
(212) 233-8888
24 West 56th St. (between 5th & 6th Aves.)
(212) 333-3868

 ニューヨークでは珍しい上海料理。 ここでの一番はやっぱりこだわりの小龍包。 旨みの詰まったスープが沢山入った小龍包をレンゲにのせ、ゆっくり皮を破り生姜をきざんだたたれと合わせて食べると、ため息が出るほど美味い。 この小龍包だけを食べるだけでも一度は来る甲斐がある。 確かに他のメニューは少々塩辛く、こってりしすぎているが、まずまずの味だ。 そしてまた北京ダックがなぜか美味しい(日本のように高くはないからご心配なく) 週末の夜は行列が出来る。 最近アップタウンにも支店が出来て、値段はチャイナタウン店より多少高くなるが、小龍包を含め、こちらのほうが美味しいように思う。



BIG WONG RESTAURANT
大旺飯店
67 Mott St. (Canal St. & Bayard St.)
(212) 964-0540

 店に入ると焼き立てのバーベキューのいい匂いがする。 ここはチャイナタウンの中でも庶民的な雰囲気のある店だ。 ここでは麺類よりお粥がお薦め。 コクがあり、しかもさっぱりとしたお粥がおいしい。 お粥にはロースト・ダックかロースト・ポークををのせて食べると味が締まる。 また揚げパン(フライド・プレッド)と一緒に食べるのも通。



HOP KEE RESTAURANT
合記飯店

 地下にある狭いレストランだが、ランチもディナーもいつも満席。 ここも合利大飯店と同じく、どの料理もしつこくなくて美味しい。 アメリカ人好みの脂たっぷりの濃い味付けはデリケートな日本人の胃袋には会わないが、ここの料理は大丈夫。 ここのホット・アンド・サワー・スープがあっさりしていてピリッと辛く、ほっとする味。 またアヒル料理はどれもアヒルの独特の臭みを消し、旨みを十分に生かしたものだ。



HOP LEE RESTAURANT
合利大飯店

 ここの田螺の広東風煮こみが酒の肴にピッタリで後を引く。 となりに座っていた中国人が爪楊枝も使わず田螺を殻から吸って上手に、しかもすばやく食べていたのに驚き、挑戦してみるがやはり無理。 カニの広東風餡かけはチャイナタウンで一番。 何度食べても飽きない味。 実際にカニの身の方はそう多くないが、残った餡とカニ味噌をスチームド・ライス(ごはん)と一緒に食べるのがまた楽しみの一つ。 どの料理も安心して注文できる。



N.Y. NOODLE TOWN
ニューヨーク・ヌードルタウン
28 Bowery St. (Bayard St.)
(212) 349-0923

 日本の中華料理で食べる中華そばとは少し違うが、かん水の香りがプンとするここの麺も癖になる。 そしてこの麺があっさりとしたスープと良く合う。 ロースト・ダックやポークをのせて食べるのも良し、肉や海老団子と一緒に食べるのも良し。  また期間限定のソフトシェル・クラブに餅粉をつけて揚げた一皿もサクサクしていて、ソフトシェル・クラブのおいしい食べ方をまた一つ発見した。



 

 

 

 

 

ITALIAN
イタリア料理


CHEALSEA RISTORANTE
チェルシー・リストランテ
108 8th Ave. (15St. & 16St.)
(212) 924-7786

 ここではメニューにあるすべてのものが安くておいしく、本格イタリアンを気軽に楽しめる。 アピタイザー(前菜)もさる事ながら、パスタ、またピザに到るまですべて二重マル。 そしてサービスも良く、気さくな店員がまた微笑ましい。 パスタはどれも美味しいが、中でもヴォンゴレがお薦め。 アニメッレ(仔牛の胸腺肉 日本では通称“リードボー”)がまた絶品で、これだけの量でしかもこの価格では日本では絶対に食べられない。 ヤリいかのスミ煮も週に一度は食べたくなる味だ。 これだけメニューが充実しかつおいしいのに、店の奥にあるかまどで焼いたピザがまた最高で、一度に全部食べられないのが惜しくなる。 デザートは全体的に甘めだが、バニラ・アイスクリームのエスプレッソがけならデリケートな日本人でも満足できる。


CARINO
カリーノ
1720 2nd Avenue(88St & 89 St.)
(212) 860-0566

 シチリア地方のイタリア料理。 この店で必ず食べておきたいのがパスタ・キ・サルデ。 これは古典的なシチリア料理の一つで、ブカティーニ(穴明きパスタ)に鰯とフェネル、干しぶどう、そして松の実を炒め煮したソースをからませる。 他にもホームメイドのモツァレラ・チーズとトマトのサラダなど、どの料理もなかなかの味。 シチリアの家庭料理が楽しめる。


GRANO TRATTORIA
グラーノ
21 Greenwich Avenue(10 St.)
(212) 645-2121

 日替わりメニューが豊富で、美味しいイタリアンを安く食べられる。 イタリア全土の料理を気軽に楽しめる店。 ここの手作りパスタはこしがなく余りお薦めできない。 しかしメインディッシュはどれもおいしい。 ウサギ肉、野菜、リコッタ・チーズなどをパートフィロで包んで揚げて、バルサミコ・ソースで食べる一品には満足。 また“トラットリア”なのになぜかピザも焼いているが、まあ美味しいから許そう。  


IL MULINO
イル・ムリーノ
86 West 3rd St. (between Thompson & sullivan St)
(212) 673-3783

 ザガット・サーヴェイのイタリアン部門では堂々の第一位。 そのためかまず予約が取りにくい。 たとえ予約があって時間通りに行っても必ず待たされる。 待つ間多くの客はバーでお酒を飲んでいるのだが「食前からそんなに飲んで大丈夫か?」とついつい心配してしまう。 決してまずくはないが味はどの料理も塩辛くてしつこい。 これは飲んだ客に合わせているのだろうか? ポルチーニのラビオリの黒トリュフソースや各子牛料理などせっかくの味が塩辛さで台無しになってしまうのが残念だ。 入り口に山積みされていて目を引き、どのデザートにも付いてくる巨大ないちごは客を喜ばせているようだ。 日本でよく食べたアイベリーかと思いきや、食べたら味は大味。 ステムベリーという種類なのだそうで多少がっかり。 また食前に出てくるサラミやブルスケッタなど、余り食べると他の料理が入らなくなるので注意。 アピタイザーからメインまで全てアメリカンサイズであるから。



I TRULLI
イ・トゥルーリ
122 East 27th Street (Park Av. & Lexington Av.)
(212) 481-7372

 ニューヨークでは数少ないプーリア地方の郷土料理が食べられる店。 プーリア地方はイタリアを長靴にたとえ、その先端に位置する。 アドリア海に面したプーリア地方の料理はシーフードをよく使う。 宮崎駿の映画「紅の豚」に出てくるアドリア海の飛行艇乗りはこう云う料理を食べていたのだろう。 パスタは全部手作り。 耳たぶの形をしたパスタ、“オレキエッテ”は珍しい。 ただし少々塩辛いのが気になる。 ウサギのグリルは、柔らかく、うまみのあるウサギ肉を十分にひきだした一品。 またワインの品揃えも豊富。 プーリア地方はイタリアでシチリアに次ぐワイン生産量第二位。 どのワインも喉越しが非常に滑らか。 これらのワインとここの料理の相性がピッタリである。


JOHN'S PIZZERIA
ジョンズ・ピッツェリア
278 Bleecker St. (6 St. & & Ave)
(212) 243-1680
260 West 44th St. (Broadway &8th Aves.)
(212) 391-7560

 ここのピザはセラフィナに並ぶ美味しさ。 常連の客が多く、また値段も安く、何枚でもぺロリといただける。 ブロードウェイ(St. James 劇場の隣)にも支店があり、観劇後のピザもよい。


PO
ポー
31 Cornelia St. (Bleeker St. & West 4th St.)
(212) 645-2189

 ニューヨークのレストラン・ガイドには必ず載っているお店。 そのためかいつも満員だが、味は良いし、また値段も信じられないほど安い。 オーナー・シェフはアメリカの料理番組などでお馴染みのマリオ・ビターリ。 ソースから盛り付けまで非常にクリエイティブ。 彼の料理を満喫できるコース、テイスティング・メニューは6皿で29ドル。 ディナーは毎晩行列が出来るのでランチに来るのも良いが、メニューが限られてしまう。 ヘルシー思考のニューヨーカーに合わせ、野菜は全てオーガニックのものを使用、また椎茸などをサラダに使うところが面白い。 さっぱりとしたアンティパスタが楽しめる。 パスタではサンドライド・トマト(天日干しトマト)とムール貝の手作りブラック・フェトチーネが一番のお薦め。 サンドライド・トマトの甘味と酸味を十分に生かした一品。 またウズラのローストがプラム・ソースと良く合いおいしい。
 


RISTORANTE BABBO
バボー

110 Waverly Place (MacDougal & 6th Ave.)
(212) 777-0303

 上記したポーのシェフ、マリオ・ビターリが去年開いた店。 ポーとは違い高級志向で値段は高く、また料理の量も日本のイタリアン並で財布に余裕のある時にしか行けないが、味は抜群。 ここもポーと同じく料理はクリエイティブ、そしていつも人がいっぱい。 前菜にはアンチョビのマリネ(生のひしこ鰯のマリネ)や子羊の舌のロースト。 フォアグラの入ったラビオリは、感動する味で、ラムチョップも非常に美味しく、青りんごのソースとラムの相性がとても良い。  メニューは1年間ほぼ変わらないが旬の材料は必ず取り入れている。 コースのテイスティング・メニューだと比較的安く食べられる。



SERAFINA
セラフィナ
1022 Madison Ave. (78 St. & 79 St.)
(212) 734-2676

 ベスビオ火山の溶岩にシチリア島の岩塩を混ぜて作らせた特注のかまどで焼くこだわりのピザはまさに絶品。 ホームメイドのモツァレラ・チーズ、薄めでパリッとした生地とどこをとっても素晴らしい。 お薦めはシンプルにマルゲリータ。 ここのピザを食べると日本のパンのように厚い生地と、マヨネーズや、たらこなんでもありといったピザは食べられなくなる。 毎晩12時まで営業しているので、観劇後でも時間を気にせず食べられる。



 

 

 

 

VIETNAMESE
ベトナム料理



NEW VIET-NAM RESTAURANT
越南餐館
11 Doyers St.

 Doyers Streetのかどにあり、狭い階段を地下に降りていくと、店構えからは考えられないほど広い店内にびっくりする。 ランチタイムでもないのに次々と人が入ってくる。 ここのスプリングロール(生春巻き)はシーフードがお薦め。 ライスペーパーは結構厚めで、その弾力がたまらない。 レモングラスチキンはニューヨークでもっとも人気のあるベトナム料理。 お薦めをウエイターに聞くと、やはりこの料理を薦められる。 多少しつこくも感じるが他店と比べてまずまずの味。  ソフトシェル・クラブを素揚げして、ニュクマムをベースにした赤唐辛子のソースにつけて食べる一品は、ジューシーなカニとニュクマム独特の風味とのハーモニーが楽しめる。 



SONG
ソン
107 MacDougal St. (Bleacker & W. 3 St.)

 ベトナム料理は中華と違って脂っこくないところがいい。 ビリッジにあるせいか、店の内装も現代風。 アピタイザーに頼んだのはサマーロール(生春巻き)。 薄いライスペーパーに海老、香菜、もやしなどの野菜をくるんで、ピーナッツのたれにつけて食べる。 アメリカ料理に疲れた胃にピッタリ。 レモングラスチキンやケチャップライスは余りお薦めできない。 それよりもポークのグリルが美味しい。 またここの麺類がお薦め。 ベトナム風焼きそばも結構だが、フォー(米粉から作られる麺)を薄味のスープで食べるベトナム風のうどんは香菜やミントを入れて癖になる味。 白く透き通ったライトな麺と濃くのあるスープが微妙に合う。


NHA TRANG
ニャ・トラン
87 Baxter St. (Bayard & Canal St.)
(212) 233-5948

 ここの一番驚かされるのがメニューの豊富さとその安さだろう。 どの料理も10ドル以下。 財布の中身を気にしなくても、おいしいベトナム料理を心行くまで食べられる。 今年ニューヨークの雑誌に紹介されたからか、夜はいつも満員。 ただし心配ご無用。 回転が速いので10分以上待つことは絶対にない。 全体的に料理の味付けが濃いのが気になるが、それを除けば全ておいしい。 さとうきびにえびを巻いてグリルした一品はビーフンとサニーレタスに包んでピーナッツ・ソースにつけて食べるとおいしい。 またローストポークは柔らかいくて味まろやか。 そしてここのフォー(ベトナム風うどん)もなかなかで、この店独特のあっさりしたスープをのむとほっとする。 



LE COLONIAL
ル・コロニアル
149 East 57th St. (between Lexington & 3rd Aves.)
(212) 752-0808

 「インドシナ」 や「愛人」などの映画を思わせるフランス領のベトナムを再現した店内は非常にユニークである。 2階建てのレストランの至る所に植民地時代のベトナムの写真が飾られていて目を引く。  他のベトナム料理店と比べ値段は決して安いとはいえないが、若いカップルなどで店の中はいつもいっぱいだ。 料理はどれも洗練されている。 ベトナム風うどんフォーがこの店ではスープとして出される。 濃いめのスープがこの店の特徴。 生春巻きも一口サイズで食べやすい。  メイン・ディッシュにはスパイスをきかせたフィレ肉のソテーなどの料理もおいしいが、かえってシンプルなグリルの方がいい。 他にはアヒルのグリルのジンジャー・ソース掛けがお薦め。 ニョクマムをベースにしたジンジャー・ソースがアヒル肉のしつこさを消し、肉の旨みを引き出している。 店の雰囲気、料理共に非常に満足できた。




 

 

 

 

SEAFOOD
シーフード


AQUAGRILL
アクアグリル
210 Spring St. (6th Ave.)
(212) 274-0505

 ニューヨークにきたら一度はオイスターバーに行ってみるのも良い。 どのガイドブックにも紹介されているのはグランドセントラル駅の地下にあるオイスターバー。 牡蠣の種類は豊富だがメイン・コースとなると、どの料理にも工夫がなく大味である。 ビレッジにあるこのアクアグリルは数あるニューヨークのシーフード・レストランの中でもお薦めできる一店だ。 パンからデザートまで全てホームメイドといったこだわりよう。 どの魚介類も新鮮でオイスターの種類も多い。 オイスターは1ピースずつ注文できるので、1ダース全て違う種類の牡蠣を注文し食べ比べるのも良い。 お薦めはクマモトかグレート・ミヤギ。 名前こそジャパニーズだが両者とも日本からの輸入ではなく、正真正銘のアメリカン産。 クマモトは小粒ながら、日本の夏牡蠣のようにミルキーで繊細な味が魅力で、グレート・ミヤギは風味が良い。 
 前菜には、醤油ではなく味噌ソースで食べる刺身の盛り合わせや生ウニまである。 しかしそれよりもロブスター・ビスクやツナのタルタルの方がおすすめ。 メイン・コースは多少味付けが濃いのが気になるが、他店にはない工夫が伺える。 ポテトの付け合わせやクラブケーキといった、いかにもアメリカらしいシーフード料理はない。 スープのしっかりとれたブイヤベース、魚はグリルが良いだろう。 アメリカで海老の頭を上手く使った料理はここが初めてでした。


THE FAMOUS OYSTER BAR
ザ・フェーマス・オイスターバー
842 7th Ave. (54th ST.)

 劇場街の中にあり遅くまで営業しているため、観劇後の食事に便利。 全体的に味は決して良いとは言えないが、どのメニューも値段が良心的で、特にここのシーフード・カレーは一押し。 ソースはクミンがきいていて、スチームドライスとの相性が良く、カレーが食べたくなったらここに来ることをお薦めする。 他の料理は多少塩辛いが、シーフード・パスタなど値段からは考えられないほど魚介類がたっぷりのっている。



 

 

 

 

 

KOREAN
韓国料理


KANG SUH RESTAURANT
カン・スーレ・ストラン

1250 Broadway
(212) 564-6845

 32丁目とブロードウェイの角にあるこのレストランは日本人の客も多く、寿司カウンターもあり、又日本語メニューもある。 そして店は24時間営業で店員もよく働くため、ついチップを弾みたくなる。 この店では全ての料理が一定のレベルをクリアしている。 焼肉は炭焼きでおいしい。 日本と違い、肉をサンチュ(サニーレタス)に包んで、韓国風ニンニク味噌、長葱、ご飯などと一緒に食べるのがコリアン・スタイル。 日本でもすっかりお馴染みのチヂミ(韓国風お好み焼き)はシーフードがおいしい。 前菜が沢山出てくるのが日本とは違うところ。 これを全部食べてたらメインを食べる前にお腹がいっぱいになってしまうので注意。 残したらお店に悪いと思いがちだが、韓国では残した方がかえって十分に食べ物があったと喜ばれるのだそうだ。 


KUM GANG SAN
金剛山
43 West 32nd St.
(212) 967-0909

 広い吹き抜けの店内に入りまず目に入るのが巨大な滝である。 そしてここでも同じく寿司カウンターがある。 他店に比べアメリカ人の客が非常に多い。 この店の焼肉は炭焼きではないが良い肉を使用しているため、サニーレタスに包むコリアン・スタイルで食べなくてもいただける。 キムチ・チゲはキムチの余分な酸味がなく、しかもスープがしっかり取れていてこの店の一押しメニューだ。 日本でも人気の石焼ビビンバはご飯の表面をかりっと焼くとさらにおいしくなる。 そして最後にお腹が許せば冷麺で仕上げたいところだ。 32丁目には数え切れないほどのコリアン・レストランがあるが、どの店に入るか迷ったらこの店が無難な選択である。 


GAM MEE OK RESTAURANT
ガム・キー・オーケー・レストラン
43 West 32nd St.

 この店に来る客は全員ここの韓国風スープが目当てである。 テーブルには刻みねぎが入った壷と塩が入った壷が置いてあり、スープは自分の好みで味付けする。 12時間煮込んだ牛肉のスープは脂が除かれてあっさりしていて、しかもコクがある。 スープの具は、細い麺とご飯にスライスした牛肉。 またこの店のキムチがまたおいしい。 壷に入ったキムチをテーブルに持ってきて目の前で切って出してくれる。 そしてこのキムチとスープの相性が非常に良い。 これだけ食べて$6.95は安い。 他の料理の味付けもあっさりしていておいしい。 ニューヨークに唯一ないのがおいしいラーメン屋だ。 お昼や夜遅くに急においしいラーメンが食べたくなったら、ここのスープがラーメンの代わりになってくれる。 そしてこの店も24時間営業しているというのがありがたい。


WO CHON
ウー・チョン
8-10 west 36th St. (between Broadway & 6th Ave.)
(212) 695-0676 

 コリアン・タウンにあり他の韓国料理店と同じく24時間営業している。 店は決して大きくないがいつも人がいっぱい。 そしてこの店は特別日本人の客もも多い。 ここの焼肉は肉が良質で、また蜂の巣(イタリアンでいうトリッパ)など他店では余りないメニューもあり、臓物好きにはうれしい限りである。 ここでもやはり焼肉は店員がサービスで焼いてくれるのだが、焼き方が荒くもう少し丁寧に焼いてくれるとなお良い。 できれば自分で焼いたほうがおいしく焼けるかもしれない。 またここのチジミ(パジュン=韓国風お好み焼き)がお勧め。 具がなくても十分おいしく、具を載せるならシーフードがいいだろう。 そしてユッケなどの生物やコブトルビビンバ(石焼ビビンバ)もまずまずである



 

 

 

 

 

MEDITERRANEAN
地中海料理


PICHOLINE
ピショリーン
35 West 64th St. (between Broadway & 8th Ave.)
(212) 724-8585

 メトロポリタン歌劇場のすぐそばにあるこのレストランはオペラの終演時間に合わせてラストオーダーの時間が毎日変わる。 地中海料理ということだが、イタリアンやフレンチも多く取り入れている。 コース(テイスティング・メニュー)なら$60からで、量も非常に多い。 スプーンにのってくるおしゃれな一口サイズのカリフラワーのペーストから、チョウザメのグリルといった余り使われない素材まで全体的に味は濃いが、どの料理にも工夫が覗える。 フォアグラのグリルの焼き加減は最高で、また各料理のソースの多彩さが印象的だ。 そして食後のチーズの種類の多さには驚かされるだろう。 デザートではシャーベットが特においしい。 オペラ観劇後の食事に迷ったら、割高だがこのピショリーノをお勧めする。